ドリコムブログ終了のお知らせを聞いて、ブルー
オーシャン戦略を久しぶりに手に取った。
※※ なんか、大学のリポートみたいな記事ができた… ※※
■ 経営本の思い出
折に触れて何度も読んでいる経営学の本は「ブルーオーシャン戦略」か「イノベーションのジレンマ」だ。
ブログサービスの市場が過当競争になり、レッドオーシャンまっさかりななかで、どうしたらブログ(というよりPC向けネットサービス)のブルーオーシャンを切り開けるのだろうか?
そんなことを考えるたびに、ブルーオーシャン戦略を手に取って、ブログサービスのブルーオーシャンがどんなものか考えてみる。まったく答えが出ない。
一方で、イノベーションのジレンマは、何かワクワクするサービスが登場したとき、手に取る。TwitterとかTumblrってブログに対する破壊的イノベーションなんじゃないかとか、iPhoneは何に対する破壊をもたらすのだろうか?とか(おそらく、破壊的イノベーションではない)
■ ブルーオーシャン戦略と戦略
キャンバスブルーオーシャン戦略とは、競争を試みることを止め、代替産業や非顧客層に目を向けて、新しい市場「ブルーオーシャン」を開拓する戦略である。任天堂wii華やかなりしころ、日本ではもてはやされた戦略だ。
ブルーオーシャンを発見する上で欠かすことのできないコンパスとなるのが、「戦略キャンバス」とそれに基づいた4つのアクションだ。
戦略キャンバスとは、縦軸にユーザーにとっての価値をとり、横軸にユーザーに提供する価値を要素ごとに並べたもので、キャンバスにあらわされる曲線を価値曲線と言う。
ためしに、Ameba・FC2・Livedoorでブログサービスの戦略キャンバスを作るとこんな感じになる。かなり大雑把に作っているので、雰囲気で。

(表)ブログサービスの戦略キャンバス Clickででっかく。
過当競争のレッドオーシャンでは、価値曲線は、だいたい同じような形をもつ。一方で、優れたブルーオーシャン戦略の価値曲線は、メリハリと高い独自性を持ち、訴求力のあるキャッチフレーズで説明することができるという特徴をもっている。
LivedoorやFC2が似た価値曲線で競争を戦っているのに対して、Amebaは独自性の高い価値曲線をもっている。上の表では、Amebaをメリハリもって表現しようとしたのだけれど、失敗しているうえに見にくい。
他のブログサービスと比べて、Amebaはカスタマイズできないし、重い(しばしばメンテが入る)うえに、お小遣い稼ぎなどできない。むしろ金を使う。
しかし、Amebaは、芸能人やコミュニケーションという点で他にはないメリハリと独自性を備えている。
だからといって彼らが、ブルーオーシャンを切り開いたかと言えば、そんなことはなくて、業績的にも、レッドオーシャン真っ盛りである。
メリハリがあって、独自性の高い価値曲線をもつAmebaがレッドオーシャンにいるのはなぜか?その理由は「4つのアクション」にある。
■ 4つのアクション
戦略キャンパスに基づいて、価値曲線を見直すことが、ブルーオーシャンを見出す近道となる。価値曲線の見直しには4つのアクションという考え方を利用する。
1.増やす:業界標準と比べて、大胆に増やすべき要素は何か?
2.減らす:業界標準と比べて、大胆に減らすべき要素は何か?
3.取り除く:業界常識として備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か?
4.付け加える:業界常識として備わっていない要素のうち、今後付け加えるべきものは何か?
Amebaは、芸能人を「増やしたり」、機能を「減らしたり」はしているが、何かを取り除いたり付け加えたりしているわけではない。
Amebaピグが「付け加え」られていたりするが、
コミュニティアバターゲーム仮想空間という付け加え方は、
mixi、
GREE、DeNAの血みどろの争いに足を突っ込む意思決定でもある。
■ じゃあ、ブログサービスのブルーオーシャンどこよ?
正直、分からん。3年間考えているけど分からん。ひょっとしたら、そんなもん無いかもしらん。そもそも「ブログサービスのブルーオーシャン」という設問からして間違っている。業界構造や市場の境界は戦略的打ち手によって異なるからだ。
■ ブルーオーシャン戦略の問題点
経営戦略論のすべてに言えることであるけれど、すべてが後付けであること。そのうえ、戦略キャンバスは、定量的に作ることが難しく、恣意的に運用することが可能であることが問題点としてあげられる。つまり、後付けで何とでもいえてしまうのだ。実際、Amebaや他のブログサービスについても何とでも言えてしまう。
そして、後付けできない、現在進行形の問題にブルーオーシャン戦略の
フレームワークをあてはめることは困難をきわめる。
本で最も紙幅がさかれているのが、ブルーオーシャン戦略の策定と実施についてであることがその証左だろう。
仮に、1度上手くいったとしても、再現性に乏しい。
なんとなく上手くいきそうな考え方ではあるのだけれど、いざ実現してみようとなると、ものすごく難しいのがブルーオーシャン戦略だ。
■ じゃあ、どうしてブルーオーシャン戦略を気に入ったのか?
・発想のフレームワークとして気に入った。
代替品のユーザー、非ユーザーに目を向けて、戦略キャンバスを色々と作成し、4つのアクションに基づいて発想をすると、色々なアイディアをだすことができる。
たとえば、
携帯のメールだけで日々のコミュニケーションに事足りている人がほとんどだから、ブログの管理画面も投稿画面も無くして、携帯のメールだけで更新できるブログサービスはどうだろう?とか。
・柔軟な業界構造・市場の境界
ブルーオーシャン戦略では、永遠に繁栄を続ける企業などないという前提から、「戦略的打ち手」を分析の対象としている。本の定義によれば、戦略的打ち手とは「製品やサービスを投入して新しい市場を切り開こうとする一連の行動や判断」のことである。
成績で「A」なんて1つもない不良学生だったせいかもしれないけれど、私が大学で学んだ戦略論では、業界の構造や市場の境界をきっちり決めて分析を行うのが普通だった。
けれど、ネットサービスの分野では構造も境界もあいまいで、むしろ境界を越えることが成功に結び付いていたりもする。
Amazonがkindle出してみたり、Appleが音楽配信してみたり、Googleが辺り一面盗撮していってみたり。そこで、従来の戦略論に違和感をおぼえた。
ブルーオーシャン戦略では、市場の境界、業界構造は戦略的打ち手によって変化するとしている。そして、市場の境界をこえて新しい市場を作り出すことこそ肝要だと述べている。この主張に出会ったとき、私のもやもや感がスッと解消された。学問と実践の境目を埋めてくれたから、気に入っているのだと思う。
新しい製品やサービスで、市場を切り開いて、世の中を変える。そんなことに憧れを持っていたいし。
■ 輪読会をやりたい(ゼミ的に)
べつにブログでなくても良いのだけれど、テーマを決めてブルーオーシャン戦略に従って、あるテーマにとってのブルーオーシャンは何なんだろうを考える輪読会をやりたい。小難しいこと考える入江兄さんを誘ってみようと思う。
いないと思うけれど、もしやってみたい方がいたら、Twitterで@yokomuraに何か言ってみてください。